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いよいよクラブチームが日本選手権大会へ出場できる年を迎えました。長年論議されてきた日本ラグビーの構造改革の一環として、日本選手権のシステムそのものが大幅に再編成され、クラブチームにも出場権が認められることになりました。本年度（2003年度）から18歳以上のチームであれば、大学、社会人、クラブを問わず、全てのジャンルのチームに日本選手権への途が開かれます。実に画期的出来事です。 日本選手権へのクラブチームの出場権は、「全国クラブ大会」優勝チームに与えられます。また、学生クラブは「地区対抗大学大会」の拡大再編の中で医歯薬系大学などとともに出場権が認められ、その地区対抗の優勝チームが日本選手権への出場権を得るシステムの中で実現されます。このようなラグビー版＜天皇杯方式＞が採用されたことで、日本選手権大会は名実ともに日本全国すべてのチームを包摂した大会へ生まれ変わることになります。これまで観客の立場でしかなかった全国４万人のクラブラガーメンは、プレヤーとして日本選手権へ参加できることになりました。 このような再編の中で、クラブチームに求められる社会的役割、使命も大きく変化しています。自分達の仲間内だけの楽しみを追求する単なる＜同好会＞から、地域に根ざしたラグビーの普及発展に積極的に責任を持つ＜クラブ組織＞に脱皮することが求められています。正直言って、実力面では社会人のトップチームにはまだ届かないと思われますが、クラブチームもまた日本ラグビーの振興と普及に責任を持つべき団体に進化しなければなりません。そして、そうした動きは各地のクラブチームで既に開始されています。
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第１３回を迎えた東日本クラブ選手権大会は、日本選手権の予選という意味あいを持つことになりました。そして、大会の基本的な考え方を、日本選手権を睨んだものに変えてゆくことになりました。一足飛びの改革は出来ませんが、私たちが出来ることから手を付けてゆきたいと思います。 １．クラブ・カンファランスの開催 大会に先立って、クラブチームの皆さんと直々に意見交換をする「クラブ・カンファランス」を実施する。クラブ大会は、これまで各県クラブ委員長を通じて各地の実状把握に務めてきたが、今回は実際にグラウンドで戦うプレヤーの皆さんと意見交換し、また各地で先駆的試みを行っているクラブに「強化」と「普及」の実践例を発表していただく。各クラブがお互いに意識啓発を計り、ノウハウの交換を行いたい。 ２．帯同レフリー制度の開始 これまで任意だった「帯同レフリー」制度を、本年度から正式にスタートさせる。各クラブがしっかりと公認レフリーを養成する義務を果たすべきことを明確化する。クラブが自チーム内に有能な公認レフリーを抱えることで、コーチングの面のみならず、ルールに関する理解度、熟知度の向上を計る。ルールの面からクラブチームの「強化」に貢献する。 ３．帯同レフリーの活用 大会レフリーは、各チームに帯同してきたレフリーをプールし、主管県協会のレフリーと連携の上、大会全般のタッチジャッジとレフリーを担当する。チーム同様、帯同レフリー対象にカンファランスを実施し、大会の趣旨、レフリーのあり方、帯同レフリー制度の意義など、チームとレフリーとのビジョンの共有を計る。レフリーの面からクラブチームの「普及」に貢献する。 なお、大会の活性化や改革も大事ですが、同時にラグビーの根本にあるスピリッツを忘れてはなりません。これは、巻頭の＜クラブ委員会アピール＞に全て尽くされていますが、この大会は単に覇を競うだけが目的ではなく、大会を開催することで紳士のスポーツであるラグビーが日本全国に遍く普及してゆくことも大きな目標として掲げています。プレヤー、チーム関係者、競技役員、レフリーなど、ラグビーに関わるすべての人々は、ラグビーが紳士のスポーツとして発展し普及してゆく責務を負っています。東日本クラブ選手権大会の出場チームは、そういう「誇り」と「気概」をもち、また大会役員やレフリーも、そういう責務を担っているのだということを誇りとして、この大会に臨んで下さい。クラブ大会にかかわる全てのラガーメンが、大会を通じてその精神を具現化してゆき、実践する中で新しい日本のラグビーを創造してゆきたいと思います。
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