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クラブラグビーが新たな飛躍を求めて試行錯誤を繰り返していた２０数年前から、クラブ出身（早大ＧＷ）のレフリーとして、また協会理事としてクラブラグビーの認知と地位向上に尽力された真田洋太郎氏がなくなられて３年の月日が流れた。昨年１２月、真田氏を偲ぶ会が、関東協会、東京都協会クラブ委員会と早稲田大学ＧＷＯＢ会の共催で行なわれた。その際、多くの方々から、志半ばで倒れた真田さんの＜クラブラグビーへの思い＞を生かす道はないものかとの提案がなされた。真田さん存命のときは、クラブ関係者は役員、レフリーをはじめ、真田さんという大きな輪の中でクラブラグビーの普及・発展に努力して来た。その結果がクラブの全国大会、その後の社会人、学生のクラブチームのジャパンカップへの途、また、多くのクラブ出身の優秀なトップレフリーの誕生につながったといっても過言ではない。真田さんの遺志を生かす途は、真田さん存命中の気持ちを忘れることなく、驕らず、謙虚な気持ちでクラブラグビーの地位向上と普及育成に努め、多くの人たちが安全で楽しいラグビー活動を行なえる環境を作ることにある。 このような＜真田洋太郎氏の思い＞を引き継ぎ、さらに実り大きなものとするための方策を「真田さんを偲ぶ会」実行委員会が中心となり協議を重ねてきた。その結果、「真田洋太郎賞」の制定、関連事業として「真田洋太郎杯１０人制大会」を開催することに決定した。 ＜真田洋太郎賞の概要＞ ・賞の目的＝故真田洋太郎氏の功績を永くラグビー界に留めるとともに、その遺志を継ぎ、クラブラグビーの発展に寄与する。 ・賞の対象＝クラブラグビーの普及発展に貢献したチーム、レフリー、個人、団体等を毎年顕彰する。 ・選考＝全国に１０名の推薦委員を置き、推薦委員の発議に基づき真田洋太郎賞・実行委員会が決定する。 ・賞の運営母体＝東京都協会クラブ委員会、早稲田大学ＧＷＯＢ会の共催、ラグビーマガジン誌の後援。 ＜谷口弘レフリーに真田洋太郎賞＞ １２月１４日、三井上高井戸グラウンドで第１回真田洋太郎賞の記念行事が盛大に開かれた。記念行事の第１弾は、早大ＧＷＯＢチームと、協会役員＆レフリーチームとの記念試合。昨年はＧＷＯＢチームが勝利したので、雪辱に燃える協会役員チームは須藤太郎主将のリーダーシップの下、杉下茂治関東クラブ委員長のド迫力の突進、見事なゴールキックで得点を重ねた。結果は、４０−０で協会役員＆レフリーチームが勝利した。 試合後、クラブハウスで真田洋太郎賞の授与式が行なわれた。栄えある第１回受賞者には、現在関東協会公認レフリーとして活躍中の谷口弘さんが選ばれた。谷口さんは、東電学園でラグビーをはじめ、卒業後も百草クラブでラグビーを続けるとともに、トライアスロンや冬山登山をこなすスポーツマン。Ｃ級レフリーとして駆け出しの頃真田さんの薫陶を受けた。授与式では、早大ＧＷＯＢ会の倉本豊寿会長から賞状と記念品が贈られた。この日の記念試合の笛も吹いた谷口弘レフリー。今後の活躍、精進を期待したい。授賞式後の懇親会では、真田さんゆかりの方々が真田さんの思い出を語り合った。学生時代、真田さんはキャデラックでグランドに練習に来ていた逸話、レフリングはエレガントさが肝要で手の挙げ方ひとつにも気品さを求めた指導方法など、真田さんらしい思い出話に花が咲いた。 ＜真田洋太郎杯１０人制大会＞ 交流試合に引き続き、真田杯１０人制大会が開かれた。出場チームは、真田さんにゆかりのある六大学リーグのＯＢチームを中心に、クラブラグビーの模範・くるみクラブ、聴覚障害者のラグビーチーム・クワイエットタイフーン、それにぜんかいビアーズが出場した。レフリーは、ベテランから初心者までが揃ったが、今年学生クラブ出身でレフリー資格をとったばかりの田中利昇氏（中央大パトス）が鮮やかなレフリングを披露し、故真田さんの期待に応える活躍ぶりを見せた。 決勝戦は、明大ＭＲＣＯＢとくるみクラブとの対戦となり、０−０の同点のため、５分間の延長戦に入った。延長２分、ＭＲＣが左隅にトライ。勝負あったかに見えたが、その１分後くるみクラブのつなぎのラグビーが炸裂し、ゴール真下にトライ。７−５でくるみクラブが第１回真田洋太郎賞１０人制大会の覇者となった。表彰式では、くるみクラブの関根崇主将に優勝盾が贈られた。 真田洋太郎氏という求心力で動いてきたクラブラグビー界は、未完の事業として残された次のステップ＝地域に根ざしたクラブの組織化、幅広い人材からのレフリーの発掘養成という仕事に取り組んで行かなくてはならない。それは、既概念にとらわれず、現在の閉塞状況を打ち破るクラブラガーメンの英知と行動力にかかっているといえよう。 ＜１０人制大会結果＞ ・出場チーム＝６チーム ・組み合わせ＝（Ａブロック）早大ＧＷＯＢ（慶大ＢＹＢＯＢ連合）、明大ＭＲＣＯＢ、ぜんかいビアーズ （Ｂブロック）慶大ＪＳＫＳＯＢ、くるみクラブ、クワイエットタイフーン
・ぜんかいビアーズ ２６−２２ 早大ＧＷＯＢ ・クワウエットタイフーン ０−５５ 慶大ＪＳＫＳＯＢ ・ぜんかいビアーズ ０−５５ 明大ＭＲＣＯＢ ・クワイエットタイフーン ０−３１ くるみクラブ ・早大ＧＷＯＢ ０−４８ 明大ＭＲＣＯＢ ・慶大ＪＳＫＳＯＢ ７−２９ くるみクラブ
・３位トーナメント戦 早大ＧＷＯＢ １０−５ クワイエットタイフーン ・２位トーナメント戦 ぜんかいビアーズ ５−５ 慶大ＪＳＫＳＯＢ ・１位トーナメント戦 くるみクラブ ７−５ 明大ＭＲＣＯＢ
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