|
|
|
|
サウスオークランド・キウイーズ歓迎実行委員会 ２００２年はＦＩＦＡワールドカップ・サッカーに続いて、知的障害者の国際サッカー大会＜２００２・ＩＮＡＳ−ＦＩＤサッカー世界選手権大会＞が開催されました。サッカーはそれほどポピュラーなスポーツとなっているようです。他方、ラグビーには知的障害者の大会など全くなく、知的障害者のラグビーチームはラグビー王国ニュージーランドでさえ一つも存在しませんでした。ところが、今年そのＮＺから知的障害者のラグビーチームが初めて来日します。そのきっかけを与えたのは、他ならぬ日本なのでした。 ０２年９月、ニュージーランドの知的障害者のラグビーチーム＜サウスオークランド・キウイーズ＞が来日します。滞在中、盛岡にある知的障害者のラグビーチーム＜緑生園＞と対戦します。ＮＺチーム来征までの経緯をご紹介しますと・・・。 岩手県盛岡市にある知的障害者の更生施設「緑生園」（社会福祉法人岩手更生会・中野佳子理事長）では、３０年前から園生（15歳以上の高校生年代）の教育の一環としてラグビーを取り入れてきました。初めのうちはラグビーボールをこわごわ手にしていた子供たちも３年間の園での生活を終え卒園する頃には立派な社会人となって、そして、ちょっぴりたくましくなったラガーマンとなって巣立ってゆきます。５年前からは卒園したＯＢ達が集まってＯＢチームも結成され、自分たちの手によるクラブチームが誕生しました。ラグビーは教育的価値のあるスポーツと云われますが、これをみごとに実践しているのが緑生園ラグビーだといえます。 ２００１年、その緑生園のラグビーが３０周年を迎えました。何か記念になる企画をということで、１０数年来交流を続けてきた東京のぜんかいビアーズと合同でＮＺ遠征を行いました（日本ラグビー協会機関誌51巻３号／41〜45頁参照）。この遠征はぜんかいビアーズが音頭取りとなり、５年計画で広く全国のクラブチームに支援を呼びかけて実現しました。 緑生園がＮＺ遠征を企画したとき、ラグビーを国技とするＮＺには知的障害者のラグビーチームなど当然存在するとの前提で話が進みました。しかし、ラグビー王国を誇るＮＺに知的障害者のラグビーチームは存在しませんでした。ＮＺでさえ知的障害者にとってラグビーは危険なスポーツと考えられていたのです。 しかし、ラグビーがメジャーではなく実力もそれほどでない日本の、それも知的障害者からのラグビー対戦の申し出に、ＮＺのラグビー関係者、福祉関係者は大きな衝撃を受けました。ただちに迅速な対応がとられました。スペシャルオリンピックス・オブ・ニュージーランド（知的障害者のスポーツ活動を支援する世界的ＮＰＯ団体＝１９６４年にアメリカのケネデイ大統領夫人によって設立）が中心となり、オークランド周辺の学校や施設に呼びかけて、ＮＺ初の知的障害者のラグビーチーム＜サウスオークランド・キウイーズ＞が誕生したのです。 こうして、２００１年８月１０日ロトワルで、１２日オークランドで、緑生園＜対＞サウスオークランド・キウイーズという、世界初の知的障害者チーム同士のラグビー対戦が実現しました。この試合の模様は現地の新聞、テレビで大きく報道され、ＮＺ全土に衝撃と感動を与えました。緑生園チームは善戦及ばず２試合とも勝てませんでしたが、この歴史的試合は、両国の知的障害者ラガーメンの少年達に生きる勇気を、そして深い友情をもたらすことになりました。 そして、今年２００２年９月、ＮＺの知的障害者のラグビーチーム＜サウスオークランド・キウイーズ＞が来日します。緑生園チームと東京、盛岡で１試合ずつを行い、友情をあたためます。知的ハンデイを負ったニュージーランドの子供達の夢の実現と、ラグビーの素晴らしさをより多くの人たちに知って頂くまたとない機会であるといえます。 来日に際して歓迎実行委員会が組織され、受け入れの準備が進んでいます。資金面では全国のラグビーチーム、ラグビー選手、企業団体などに協力を呼びかけ、募金活動、チャリテイ等を中心に資金集めを行って来日実現に向けた支援活動が続いています。みなさん、この歴史的大試合をぜひご観戦にお越し下さい。 ＜来征スケジュール＞
|
|